店内のBGMはUSENを利用しています。自分のなかではUSENというと=「有線」となり、駒沢にあった喫茶店の公衆電話から、聴きたい曲をリクエストしていた日々が思い出されます。10円玉を片手に、REO SpeedwagonやSupertramp、そして何故かThe Shocking Blueなんかをリクエストし、一杯のコーヒーで2時間くらい粘って、お気に入りの楽曲を聴いていました。お店にとっては迷惑この上ない客ですが、何度も繰り返すうちにそれも許されるようになったものでした。当時は音楽を聴くには、レコード/カセットを買う・借りるか、ラジオ/テレビで聴くしかなく、そんな中で好きな曲を聴くには、有線はとても便利なツールとして活躍してくれました。
というわけで、店内のBGMにとUSENからアプローチがあったときも、それまでの「有線」のイメージが強かったため最初は利用を躊躇していましたが、名前がアルファベットに変わったように、中身もすっかり変わっていたのにはちょっと驚きました。配信もインターネットとなり、チャンネル数も数えきれないくらいあり、使い勝手も良さそうという印象。さらにUSENを利用するとJASRACへの支払いも免除となるため、店内で音楽CDを流すのも自由なので、利用することにしました。
数あるチャンネルのなかで、今一番かかっているのはやはり80's。有線でもリクエストしていた曲が、時間を超えてスピーカーから流れてくるとそれだけで気分も違うし、何十年かぶりに聴く曲が流れてきたりすると、まだ少しだけ世の中に希望を持っていた時代の熱気というか気持ちが、記憶として甦ります。写真のJohnny Hates Jazzもそんな曲のひとつ。アルバム"Turn Back the Clock"からシングルカットされた曲が2〜3曲ヒットしただけで、表舞台からは消えていきましたが、先日、その中の"Shattered Dreams" を20数年ぶりに聴きました。
And now you've given me, given me
Nothing but shattered dreams, shattered dreams,
Feel like I could run away, run away
(From this empty heart)
サビの部分が今も頭の中で繰り返されていますが、今更ながら80年代は、音楽が生活に欠かせないものだったということを実感しています。冒頭にも書いたように、今と違って好きな音楽を聴くのも、情報を集めるのもそれなりの労力が必要で、それが音楽の価値を高めていたように思います。今みたいに簡単に音も情報も手に入るようになると、相対的に音楽の価値が下がっていくのは仕方の無いことなのかもしれませんね。
これからも店内のBGMは、80'sメインというのは変わらないと思いますが、そのうちiTunesにかわって行くかもしれません。それが世の中の流れだとすると、仕方のないことなのでしょう。
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