#50 3.11に思う事

東日本大震災から1年が経ちました。

 

この1年、公私ともにいろんな出来事がありました。

東日本大震災は社会的に大きなインパクトを与えましたが、自分の生き方にも大きな影響を及ぼしたように思います。

2008年のリーマン・ショックは、日本人の価値観を経済の面から変えましたが、東日本大震災は、世の中の在り方というか、生きていくうえでの価値観というものに大きな変化をもたらしました。

それは自分だけかもしれませんが、一番大きいのは仕事に対する考え方とか、接し方が大きく変わったことです。

それまでは自分の仕事に対しては、ヤル気の強弱はありましたが、仕事そのものに疑問を感じる事はほとんどありませんでした。

自分たちが扱う商品を売るためには何をすればいいのか、どういった仕掛けを施せばユーザーは注目してくれるのかといったことを、プランニングし、実践する事が主な業務でしたが、それに対する興味が薄くなってしまったのです。

職場環境の変化というのもありましたが、それまで築き上げてきたものを、津波が一瞬にして破壊していく様を目の当たりにすることで、モノに対する執着心というのが薄れていった事は確かです。

 

そのせいもあってか、その頃から自分の仕事の社会的な価値というものを考えるようになりました。

 

もちろん、社会的価値があるかどうかが、仕事の優劣を決めるのもではありませんが、人のため、社会のため、あるいは人や社会との繋がりを実感することに、魅力を感じるようになったのです。

この仕事は社会とどのような関わりを持てるのか、どのような評価を得られるのかが大きなモチベーションとなりましたが、残念ながら事はそう簡単にはいきません。

会社という組織の中で働く以上、自分一人で課題や目標を決めることはできないので、そこにジレンマが発生し、活力を奪っていくのです。

 

そうして仕事に対する興味が薄れていく中、震災の一ヶ月後に父親が他界することに。

このことも、今考えると大きかったように思います。

年齢的には、大往生といえる歳だったので、亡くなったことそのものには無念さといったものはありませんでしたが、大震災で感じていた空虚感も重なり、仏教用語で言う「諸行無常」というものを強く意識するようになりました。

当たり前のことですが、永遠に続く事など皆無で、大げさに言うなら一日一日が違う日なんだと。

映画「風と共に去りぬ」のラストシーン、主人公の有名な台詞で、

 

After all, tomorrow is another day.


というのがありますが、その時はまさにその心境で、諦めと希望とが複雑に絡み合い、日々気持ちに鞭打つ状態だったように思います。

 

そして、運命を決める早期退職プログラムの実施。

そんな状態だったこともあり、迷わず手を上げることに。

 

現在、クラフトビールメインのビアパブの新規開業をめざし、準備を進めていますが、3.11後に抱いていた仕事を通じての人との繋がりや、社会への貢献といったものを、どう具現化していくかはまだ見えていません。

ただ少なくとも前職よりは、人との繋がりが深くなる事は確かだと思います。

そして、その事を自分自身で決める事が出来るのです。

とはいえ具体的な事はまだ書けません、また書くことが出来たとしても、書いた瞬間に非常に軽い言葉になりそうです。

そんな訳で、まだまだ五里霧中といった状況ですが、節目となった今日から、また新たな気持ちで目標に向かって進んでいく事にしたいと思います。

 

さて、どうなることやら。

 


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コメント: 2
  • #1

    森田 (月曜日, 12 3月 2012 13:23)

    ご無沙汰してます。先日は飲み会に参加出来ず残念でした。このお店のことを聞き、早速拝見しました。コンセプトからメニューに至るまですごくちゃんとした?お店で驚きました(すみません。もっと気軽に?趣味がてらバーを開く・・というのとは違うなと・・笑)50代になって、新しいことに挑戦することも、自分のやりたい方向性に向かって前進することも素晴らしいと思います。オープンしたら絶対行きます!楽しみにしてますので、頑張って下さいね。陰ながら応援してます♪  森田共美

  • #2

    lush-life (火曜日, 13 3月 2012 00:55)

    ご無沙汰です。コメントありがとうございます。

    現在は足踏み状態で、強制的に一息つかされているところですが、やはり経験が足りないといろんな面で壁に突き当たってしまいますね、残念ながら。
    無事に開店できましたら、是非いらしてください。ちょっと遠いかもしれませんが。