ビールにあうチーズについて調べていくうちに、日本で最初にチーズが作られたのは飛鳥時代で、「醍醐」とよばれていたという記事をみつけました。
「醍醐」というのは大涅槃経にでてくる言葉で、『乳、酪、生酥、熟酥、醍醐という五味の第五(五番目)。乳を精製して得られる最上の美味なるもの』の意味。同時に仏教の最高真理に例えられ、今日いわれる『醍醐味』も、ここから来ているのだそうです。ということで、早速「醍醐」について調べてみました。ウィッシュ!
醍醐(だいご)
乳製品には『乳、酪、生酥、熟酥、醍醐』という5つの種類があります。
【乳(にゅう)】
牛乳のことらしいです。そのまんまです。
【酪(らく)】
今で言う、ヨーグルトのことらしいです。
【蘇(そ)】
搾りたての牛乳を焦がさないように長時間かけて1/10位の分量にまで煮詰めた、バターとチーズの中間ぐらいの食品。出来たてのものは、しっとりとしてクッキーの生地のようで、甘ったるいミルクの香りがすごくします。味はチーズというよりは、キャラメルに近い味で、砂糖を加えていない割には、甘みも結構ありこってりと濃厚。
【生酥(なまそ)】
生乳を、表面に膜が張らないよう、焦げないように約1日煮詰めます。一晩放置すると、表面に乳脂肪分が固まって、浮いてきます。これが「生酥」らしいです。
【熟酥(じゅくそ)】
「生酥」のみを「蘇」から取り分け、更に焦げないように加熱します。「生酥」が濃縮されたものが「熟酥」らしいです。
【醍醐(だいご)】
「熟酥」の表面には、脂肪の玉がたくさん浮いています。湯煎にかけると油分が溶けて分離してきますが、この溶けだした油が「醍醐」。見た目は溶けたバターのようですが、バターから油臭さを抜いてさっぱりさせたような味で、とても美味しいらしい。常温でも液体の状態を保持している事もあったそうです。「醍醐」には、この上もない、最上の、という意味があります。
上記より推測するに、「醍醐」はチーズよりはバターといったニュアンスですね。どちらかというと「蘇」がチーズに近いようで、Wikipediaにも『蘇」が日本で最初に作られたチーズとして記載されていました。ちなみにチーズの漢字表記は「乾酪」と書くそうです。
言葉の響きからすると「醍醐」のほうが個人的にはチーズに相応しいような気がしますが、どうなんでしょうね。最上のという意味も含めて、何十種類もあるチーズからビールに合うチーズを探し出すのも、それこそ「醍醐味」とも言えますよね。スケールが小さいですけど。