70年代後半から80年代にかけて隆盛を極めたアメリカン・ハードロックの雄、"BOSTON"。デビューアルバム "BOSTON(邦題:幻想飛行)" は "No Synthesizers Used" "No Computers Used" とクレジットされたことも話題となり、全世界で1,800万枚を売り上げました。私自身はデビューアルバムの頃はまだ洋楽の魅力に目覚めておらず、86年のアルバム "Third Stage" から本格的に聴くようになりましたが、その後は話題にあがることも少なくなり、何となく聴くのやめていました。
2007年にボーカルのブラッド・デルプが亡くなってからは、活動休止、もしくは解散したものと思っていましたが、YouTubeに2008年のツアー映像がアップされているのを昨日発見。何をいまさら、と思われるかもしれませんが、メンバーがどんな変化を遂げているのか興味もあり "Amanda" を再生。すると長髪のおじさんと、なんとなく動きがぎこちないおじさん二人がボーカルを担当しておりました。長髪のおじさんはさておいて、素人臭いボーカルの、ブラッド・デルプを彷彿させる声質は、その風貌とのギャップが大きく俄然興味の対象となってしまいました。早速ウィキペデイアで検索したところ、ボーカルの名前はトミー・デカーロ。なんと前職はホームデポのクレジットマネージャー。2007年にブラッド・デルプの追悼のため自身が歌ったカラオケ映像を、My Spaceにアップしたところ、それがトム・ショルツの目に留まりボーカルに採用されたとのこと。こんなことってあるんですね。道理で全体の雰囲気が素人臭く、動きもぎこちなかったんだと納得。
もう一人の長髪のおじさんは、存在感もありステージでの動きもスムーズでしたが、こちらは "Stryper" というヘビーメタルバンドのボーカル、マイケル・スウィート。どうもボストンとの2足のワラジを履いているようです。
それにしても、マイケル・スウィートだけならまだ分かりますが、全くの素人のトミー・デカーロをボーカルに抜擢してツアーを回るなんて、やはりトム・ショルツは天才です。
あと気になった点が二つ。
トム・ショルツのTシャツにプリントされている "It's OK I'm with the band" という文字、何のメッセージなんでしょうか。それとも大した意味はない?気になります。
もう一つがベースの女性、名前はキンバリー・ダーム。元々はカントリーミュージックの出身のようですが、なんといっても姿形が美しい。もちろんベースのテクニックも◎で、ここでもトム・ショルツのキャスティング能力に感心していたのですが、調べてみるとどうもトムの奥さんらしいので、前言は撤回します。
ということで古いアルバムを引っ張りだして、しばらくは "BOSTON" を堪能してみるつもりです。