カリフォルニアにあるLagunitas Brewing Companyから、Frank Zappaのアルバム"Freak Out!"の40th アニバーサリーボトルが、2004年に発売されたと少し前のブログに書きましたが、同じアメリカのDogfish Head Breweryからはジャズの巨匠、Miles Davisの "Bitches Brew" 40thアニバーサリーボトルが2010年に発売されていました。
"Bitches Brew" は、1970年にリリースされた2枚組のアルバム。前作 "In a Silent Way" に引き続き、エレクトリック・ジャズ路線を押し進めた内容で、その実験的な試みはジャズのみならず、音楽シーン全体に衝撃を与えました。マイルスのアルバムとしては、本国アメリカで初のゴールド・ディスクを獲得、その後のフュージョンミュージックの礎となったアルバムともいわれています。
その発売40周年を記念して造られたのがこのビールで、インペリアルスタウトにハニー・ビールをブレンド、アルコール度数はやや高めの9%となっており、同社の創設者であるサム・カラジオーネはその出来について以下のように語っています。
「"Bitches Brew" はチリやスパイシーなカレー味のチキンと相性抜群です。冷やし過ぎずにブランデー・グラスやワイン・グラスに注いで、アルバムを聴きながら召し上がってほしいですね」。
なぜブランデー・グラスやワイングラスがお薦めなのかは不明ですが、マイルスのアルバムを聴きながら飲むというのは魅力的です。ただそうなると1本では到底足りませんが。
ラグニタスとドッグフィッシュヘッド、ともにまだ歴史が浅いブリュワリーですが、それぞれに自由な視点でのビール造りを進めており、その部分がいわゆる「アーリーアダプター」と呼ばれる層に共感を呼ぶとこなのでしょうか。いかにもアメリカ的なスタイルは、これからもクラフトビール業界に様々な話題を提供してくれることでしょう。
今後も要チェックです。